EMとは『人に役立つ微生物の集まり』役に立つ微生物集団

 EMとは、「有用微生物群」という意味の造語で、自然の中に存在する光合成細菌,乳酸菌、酵母など、環境や人の役に立つ微生物を組み合わせたものです。人間は昔から発酵食品、堆肥、薬品製造などに微生物を利用してきましたが、EMは抗酸化力をもつ多様な微生物を組み合わせたことで、農業、畜産、水処理、建築など、これまでの微生物の利用法では考えられない広い分野に利用されています。

 物の酸化を防ぐEM

 EMの働きを一言で表すと「抗酸化作用」ということになります。抗酸化とは、文字通り「酸化を防ぐ」という意味です。食べ物が腐ったり、鉄が錆びたり、コンクリートが老朽化してもろくなったり、物が劣化していくのは、有害微生物が働いて酸化を進めるからです。また、私たちが病気になるのも、身体の中の過剰な酸化(活性酸素の働き)が原因になっているといわれています。EMには「物を酸化させない」「物を腐らせない」という抗酸化物質を作り出すとともに、有害微生物を抑える働きを持っており、これを利用して、畑の土の環境をよくする、コンクリートを長持ちさせる、生ゴミを発酵させて質の良い有機肥料にする、活性酸素の働きを抑える、といったEM製品が開発されています。
 
 EMに含まれる主な微生物の種類と働き

 光合成細菌群 土壌が受ける光と熱をエネルギー源として、植物の根から出る分泌物,有機物、あるいは有害ガス(硫化水素)をエサに、植物の成長に欠かせない窒素化合物、アミノ酸、生理活性物質、糖類などを合成する。

 乳酸菌群

 乳酸には強い殺菌力があり、有害な微生物の活動や有機物の腐敗分解を抑制する働きがある。さらに、フザリウムの増殖を抑制すると同時に、フザリウムの増殖につれて増える有害なセンチュウの活動を抑制する。

 酵母菌群

 植物の根から出る分泌物や光合成細菌が作り出すアミノ酸、糖類、さらに土壌中の有機物などを発酵させることによって、有効な物質にかえる。酵母菌が作り出す生理活性物質などは植物の根や細胞分裂を活性化するほか、乳酸菌や放線菌などの有用な微生物の増殖を活性化させる働きをする。

 放線菌群

 細菌とカビの中間形態を示す菌で、光合成細菌などが作り出すアミノ酸などをもらい受けて抗酸化物質を作り出す。これによって病原菌を抑制するほか、有害な細菌類やカビが増えるのに必要な物質(キチン質)を先取りして増殖を抑え、その他の微生物が生息しやすい環境を作る。


              参考文献 EM環境革命、EM1使用説明書(改良版)、EMの世界と未来